韓国では"異常"とかいう形容詞がつき、常に異端児扱いされる、キム・ギドク監督。海外で絶賛される一方、そのグロテスクな表現に劇場では嘔吐者や途中退出者が続出だとか・・・
かくいう私も、キム・ギドクは大の苦手。彼の作品を片っ端から見てるわけではないから、あまり偉そうなことはいえないのだけれども。
キム・ギドクの代表作といえば、なんなんだろうか、『
悪い男』とか、最近で言えば、『
サマリア』とかなのかな。
キム・ギドクのどこが苦手なのかというと、映画を観ている最中と観終わった後、とってもイヤーな気分になるから。人間が誰しも持っている、いやーな面のごく一部を、クローズアップして、これでもか!と見せられるからなのかもしれない。救いがないし、結局、人間は生まれ持ってる罪を一生償えない、と身につまされる気がする。
で、必要に迫られねば観ないキム・ギドク作品でありながら、今回の『
絶対の愛』はなんとなく、テーマが気になってしまって、ついつい観てしまった。
一口でいえば、最愛の恋人に飽きられるのを恐れた女性が、整形によって顔かたちを変えるというハナシ。でもそんなことで、結局オトコもオンナもシアワセになれるわけがなく、整形前の彼女を忘れられないオトコも整形してしまうという。究極の整形返し!
韓国だからこそ、なのかしら。
「私に飽きたのなら、あの女のことを想いながら私を抱いてもいいのよ。」
としつこく言いつつも、他の女性のことを想った、と正直に言う恋人に対し、
「許せない!!やっぱり私に飽きたのね!」
と逆ギレするオンナ。ちょーうざい。
観終わった後に、つっこみどころなら、イクラでもある気がする。
上の写真でも、整形直後、ムラサキのマスクに、唇マークをはりつけるのはなぜ?とか。
たいがい、シアワセになれない、救いのない、気分が悪くなるハナシだけれども、なんだかクセになってしまうのかもしれない。キム・ギドク嫌いを自負していた私も、なんだか、TSUTAYAにDVDを借りに行きたくなってしまった。
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