今回のスリランカ旅のメインイベント、シーギリヤ。
旅立つ前に、スリランカではどこに行ったらいいかたずねたら、多くの人が、「シーギリヤだけは行ったほうがいい!」とすすめてくれた。
楽しみにしていたところなので、一泊するつもりだったのだけど、ダンブッラから30分くらいで行けちゃうという情報を得たため、トゥクトゥクをチャーターすることにした。トゥクトゥクドライバーのすすめで、朝7時にダンブッラのゲストハウスを出発。
雨が降ったりやんだりの生憎の空模様。
でも目の前に現れたシーギリヤ・ロックは圧巻。
ジャングルの中にいきなり姿を見せる断崖絶壁の岩。
入口に到着すると、観光客を相手にするツアーガイドが集まってきた。その中に流暢な日本語をすらすらと話す青年が一人。ガイドの必要性を説明してくれて、自分はまだ学生だから、満足されたらその気持ちだけで良いといっていたのだけど、やっぱり自由に見てまわりたい私たちは丁重に断る。するとその青年は、
「わかりました。貴重なお時間を頂戴いたしましてすみませんでした。」
とよくできた返答。彼の日本語をほめると、謙遜する。日本人の心をとらえる対応だった。次回は彼にガイドしてもらっても良いと思った。
シーギリヤ・ロックには激しい歴史がある。
今から1600年前、自らが王位につくために実の父を殺害した王。そして弟の復讐をおそれた王は、この切り立ったの岩の上に城を建てた。
積み重ねた石段と取り付けられた鉄の階段でこの岩の頂上まで登ることができる。でも1000年以上前、実際に宮殿はどのように建設されたのだろう、と不思議に思わざるを得ない。
シーギリヤ・ロックで一番の見どころは、岩の中腹あたりに描かれている"美女のフレスコ画(シーギリヤ・レディ)"。イギリスの植民地時代に発見され、いまだに色あせない極彩色の美女たちが岩の壁面に描かれている。
一部侵食されている箇所があるものの、5世紀の壁画がこんなに色鮮やかに今もなお、人々の心を動かしていることに本当に感動をおぼえる。
シーギリヤ・レディにお目にかかるためには、細い一方通行の螺旋階段をくるくるとあがっていかないといけない。結構危険。
シーギリヤ・レディに別れを行って、先を進むと、宮殿の入口となる"ライオンの入口"に出る。現在はライオンの前足のみだが、過去には頭部もあったと言われている。
細い階段をあがって、ライオンの入口を上から見るとこんな感じ。
岩のてっぺん。宮殿からの眺め。やっぱりまわりはジャングル。
JICAが援助して建設されたという、素晴らしい"シーギリヤ博物館"を見学した後、シーギリヤを後にした。
・トゥクトゥク半日チャーター 1000Rs.
・シーギリヤ・ロック入場料 2875Rs.
ダンブッラに到着すると、またもやバケツをひっくり返したような雨。すぐ近所の食堂に入り、ランチを食べながら雨宿り。
ランチ後、あまりのんびりもしていられないので、雨具を着て、コロンボ行きが到着すると思われる場所へ行く。バスターミナルではないため、屋根はなく、お店の軒先で雨宿りしながらバスを待つ。
バックパックを担いで待っていると、みんな「どこ行くの?」と聞いてきてくれ、みんながみんな「そのバスならもうすぐ来る」と教えてくれる。
コロンボまでは結構な道のりなので、インターシティバスを待つ。コロンボ行きのバスは頻繁にくるけれど、みんなローカルバスだったので見送りつづけて、雨が降ったりやんだりの中、待つこと1時間以上。ずっと世話焼いてくれていたおじさんが痺れをきらし、
「今日はインターシティバスは来ないらしい。コレに乗れ。」
とローカルバスへ促す。不安に思いながら、あきらめて乗り込むことにした。
バスの中は満員。でも旅行者には席をあけるのが当たり前なのか、一番前の席を差し出された。
「ローカルバスだといったい何時間かかるんだろう」という不安は、全くの杞憂だった。このバスの運転手が飛ばすこと飛ばすこと。一番前の席の私は途中席からスポーンと前に飛ばされたりした。
結局、4時間ほどでコロンボに到着。コロンボはまだ明るかった。