6月2日から単館系で公開中の『あるスキャンダルの覚え書き』。
これって、相当おもしろい!今年のアカデミー賞で、ジュディ・デンチが主演女優賞、ケイト・ブランシェットが助演女優賞にノミネートされた作品。
私はものすごく興味を持って、ずいぶん前の試写で見たのだけど、面白くてもったいなくてブログにも書けなかった。(ソレは言いすぎか。。)
しかしながら、いざふたをあけてみると、同日公開の『大日本人』や『監督ばんざい』とかに話題さらわれて、この作品については、全然目にふれないし、話題にものぼらない。当然のごとく、興行ランキングにも入らない。
なんでだろう。私の宣伝が足りなかったか。。
ジュディ・デンチが演じるのは、高校の社会科教師バーバラ。独身で親しい友人もおらず、ネコだけが愛情を注ぐ相手の頑固者。その高校に美しい美術の新任教師としてやってくるのが、ケイト・ブランシェット演じるシーバ。浮世ばなれしたシーバのたたずまいに魅了された、バーバラは彼女に近づき、急激に親しくなる。シーバも年上のバーバラに悩みごとを話したり、次第にうちとけていく。そんな時、人妻でもあるシーバと彼女の教え子である15歳の少年との情事の現場をバーバラは目撃してしまう。裏切られた、とショックを受けるバーバラであったが、それをネタに逆にシーバとの関係を密接なものにすることに成功する。老いつつある孤独なバーバラは一緒に老いを迎えてくれる誰かを探していたのだった。
バーバラの執着ぶりに、弱みを握られているシーバと彼女の家族も次第に違和感を感じ始める・・・。
『ショコラ』でもそうだったけど、偏屈なオバサン役がどうしても似合ってしまうジュディ・デンチ。『007』のシスターM役より、こっちの方がハマリ役だと思う。ハマリすぎてて、ジュディ・デンチそのものなのではないか?思えてしまって怖い。
バーバラはレズビアンではないと思うんだけど、孤独への不安さゆえ、ただ一人の味方が欲しい。でも大勢の味方はいらない、自分が見そめたただ一人だけを味方につければ、それで満足。でもその執着心があまりにもすざまじくて、激しくて、バーバラでなく、ジュディ・デンチがおそろしかった。
ケイト・ブランシェットも『バベル』と違って光って見えました。何不自由なく見える美しい女性でありながら、実は内面に多くの不安を抱えている雰囲気が透明感あって素敵でした。彼女の年上の旦那役が、『パイレーツ・オブ・カリビアン』の"タコ男"デイビイ・ジョーンズ役のビル・ナイ。女性二人の映画だから、彼は目立った役ではないんだけど、やっぱり存在感がある。
次々明るみになる真実にハラハラドキドキさせられます。
さすが、アカデミーにノミネートされた2人です。すごい。
是非見て欲しい映画。
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