
おそらく今年観る最後の映画『リトル・ミス・サンシャイン』。良い評判を聞いて観にいくと、大概期待を裏切られるけれど、これは本当によかった。今年観た映画の中で、1・2位に相当する。大笑いしながら、泣いてしまった!
家族6人のロードムービーで、アメリカ的なブラックユーモアが満載。とにかく、世を風刺したセリフと濃いキャラたちが強烈に面白い。
ストーリーは、美少女コンテストへの出場が決まった娘オリーヴのために、家族そろって1台のミニバスに乗り込み、カリフォルニアに向けて旅する、というもの。
オリーヴは、おなかがぽっこり出ているメガネっこ。どうみてもミスコンに優勝する容姿ではないのだけれど、ビデオを見ながら、ミスコン優勝したときを想定して、喜びの表情の練習に余念のない子だ。ミスコンのために、おじいちゃんからダンスのレッスンを受けている。
そして、そのおじいちゃんというのが強烈。ヘロイン中毒で、老人ホームを追い出された。実の孫、オリーヴの兄のドウェインに「なるべく大勢の女と寝ろ。俺も老人ホームでは多くの女を相手にしたものだ。」と諭す。
ドウェインは15歳で、家族を含め全ての他人を嫌っているが、航空士官学校入学と言う目的のためにやむを得ず、ミニバスに同乗する。航空学校入学までは、ニーチェの"沈黙の誓い"を守り、半年以上、誰とも口をきいていない。必要があれば、筆談をしている。
オリーヴとドウェインの父リチャードは、「いかに人生成功するか?」という自己啓発的なプログラムを説く人。職業はなんなんだろう?「人間には、勝ち組と負け組しか存在しない」がモットーで、勝ち組になるための9段階プログラムの本を出版しようとしているが、うまくいってない。
母シェリルは、強烈な他のキャラに比較すると一番まともな存在だけど、そんな家族に囲まれ、ストレスいっぱい。
シェリルの兄フランクは、ゲイの学者。失恋による自殺未遂の末、職も失ったので、妹の家にやっかいになることになった。ちなみにこの人は、『40歳の童貞男』のスティーブ・カレルが演じている。
キャストを見回すと地味な役者さんたちなんたけれども、役柄はみな特殊で、6人それぞれのキャラと6人の抱える問題が、カリフォルニアまでの道すがらのストーリーにうまくからんでくる。まんべんなく全員がストーリーに絡んでいるので、誰が欠けてもいけないのだ。
ギクシャクした問題だらけの家族だったんだけど、6人旅の中で新たな家族の絆を発見する。それが押し付けがましくなくて、自然とふんわりと訴えかけてくるので、観終わった後もすがすがしかった。大笑いするべきシーンなのに、涙が出てきます。
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